プロット『恋ガチャのレアリティ~無星少女と悪運憑きの純愛確率~』

●タイトル案
『恋ガチャのレアリティ~無星少女と悪運憑きの純愛確率~』

 

●ログライン
超悪運の少年が異世界転生後ツキを呼ぶスキルを得たものの扱いに苦労し、試行錯誤の末に自分の人生を肯定することと周囲からの好意を素直に受け取ることを学び、赤い糸で結ばれていたヒロインとハッピーエンドを迎える異世界ブコメディ。

 

●企画意図
・最初の召喚のアクシデントで転生時の死亡事件から救った少女と再開し、サブヒロインとの多角関係を交えたラブコメのドキドキを楽しませる
・《確率操作》スキルで運をつかみ成功する主人公の様子を見せて、共に高揚感を得ることで楽しませる
・どれだけ成功確率を上げられたとしても、何かをつかむためには一歩先に足を踏み出す勇気が必要なことを示し、読者の行動の後押しをすることで読後感を良いものとする

 

●主要登場人物
◆間宮陸(まみや りく) 男 十六歳 高校一年生 168センチ
・転生前の生育環境こそ平凡だったものの、何をしても失敗ばかりの人生を送ったため自己評価も将来に対する期待値も非常に低かった
・転生後「エリック・マグナス」と名付けられ、五歳の誕生日に前世の記憶を取り戻す。以降は間宮陸としての人格が主となるが、エリックの純真無垢な人格に影響を受け、前世からの裏表のない実直な性格に加え、どんな失敗からでも何度でも立ち上がるポジティブマインドを得た
・転生後の世界では五歳で生来の天分(ギフト)が裁定され将来の職業が決まる。「召喚士」のギフトを得た陸は、村の老魔女のもと技術を身に付け召喚士の資格を得るため旅に出る
・召喚士というファンタジーならではの職業に夢を抱き、第二の人生では幸せをつかみたいと考えている

 

◆川瀬翠(かわせ すい) 女 十六歳 高校一年生 158センチ
・陸が最初に召喚した人間の少女だが、確率操作スキルが致命的失敗(ファンブル)の目を出したため、通常はモンスターが召喚されるところ本来あり得ない結果となった
・実際には陸が命を賭して通り魔から助けた少女で、その縁で魂だけが地球から召喚された特殊な転生者。本来の肉体も分割された魂を持ち地球で生活している
・翠は召喚の際に前世の記憶を失っており、真名(本来の名前)がわからないまま、仮名として「ステラ・ラズリ」との名を与えられ陸と絶対忠誠の契約を結んでいる
・剣士の天分をもって陸に仕え成長することに喜びを感じその在り方に迷いは無いが、自分が何者なのかという疑問を抱え、陸にその答えを示してほしいと願っている

 

◆ラブカ・アスタロト 女 ?歳 見た目は人間の幼児 90センチ
・陸を異世界に転生させた自称「天使」。深海鮫ラブカの着ぐるみに身を包み宙に浮かぶ幼い少女の姿をとるが、陸以外がその存在を感じ取ることは基本できない
・正体は地球に駐在する高次元存在で、並行世界管理官の一人であることが本人のモノローグで読者には説明されるが、登場人物はそのことを知らない
・前世の陸の悪運はラブカの設定ミスであり、補償と称して過失を隠蔽するために独断で転生させ、召喚士の天分と《確率操作》スキルを与え密かに陸をサポートする

 

◆ドロレス・アンテプリマ 女 29歳 容姿は十歳ほどの子供 140センチ
・もう一人の地球からの転生者で取り替え子(チェンジリング)のダークエルフとして生まれたため、年齢に比して容姿は幼い(ことを作中で度々ツッコまれる)
・この異世界はドロレスのためのゲームとして作られたものと、転生を手引きした高次元存在「ロス・モーロック」に吹き込まれており、やっと「対戦相手」の陸が現れたことで鬱憤晴らしがてら状況を混乱に導いている
・また、このゲームで勝利条件を達成せずに死ぬと、二度と生まれ変われない魂の牢獄に繋がれると脅されてもいる
・正体を隠して純真な少年「ドロテオ」を装い陸の仲間に入り込み、誘惑者として女性陣を中心に内部分裂をはかるが、陸たちの結束は固くかえって惨めになり泣きながら帰る。強気の暴君気質だが、その心中には決して得られない他人への信頼を渇望する脆さがある

 

◆ロス・モーロック 男 ?歳 見た目は二十代後半 182センチ
・太陽系全域を担当する管理主任(アドミニストレーター)で、高次元存在としてラブカの直属の上司にあたる
・ラブカのミスとそれを取り繕う行動を知りつつ泳がせ、人類の科学技術の発展にともない破滅に向かう地球と、多くの亜人類が平和に暮らしているものの、特殊化の末に進化の袋小路に入りゆるやかに衰退している並行世界の地球(異世界)を「混血」させて双方を救う目的で動いている
・川瀬翠の召喚にも一枚噛んでおり、転生前の記憶を封じたのはロスの仕業
・ドロレスを仕事の道具として扱っているものの、人類の守護者として心から甘やかしてもいる

 

●世界観(舞台設定/世界設定/ギミック)
◆舞台設定
・転生前は現代日本。後年古びないように2023年時点で最新のもの(VR機器など)は出さない。
・転生後の異世界はゲーム的な中近世風ファンタジー世界。その中の極東日本にあたる統亜人類皇国、坂東地方(関東)武蔵国の中心都市、彩世(あやせ)の町が旅立ちの土地。主人公が向かう首都は大和地方(奈良)の飛鳥京(あすかきょう)

 

◆世界設定
異世界は厳密には並行世界の地球。2世紀前半に歴史の分岐点があり、ローマ帝国漢帝国後漢)がユーラシア大陸東西の覇権国家として立ち、双方の交流から10世紀には科学技術は現代文明を凌ぐレベルまで発達したが、並行して発達した魔法が投入された魔法大戦で科学技術の多くは失われている
・魔法大戦の結果、戦線に投じられたモンスターが跋扈し衰退した科学に魔法が取って代わるファンタジー世界が成立した。戦闘種族として作り替えられた人類は、多くの亜人種へと分化して厳しい環境に適応している
・統亜人類皇国ではひらがなカタカナのみが普及しており、貴族や学者、魔術士などごくわずかな者しか漢字を用いない。漢字の読み書きができることは、主人公が周囲から一目置かれる一因となる

 

◆ギミック
・親と本人しか知らない真名(マナ)を他人に知られることは生殺与奪の権を奪われるのに等しく、誰もが真名を隠し通称の仮名(カナ)を名乗る
・召喚士が使役する対象は「継承者(エクステンド)」と呼ばれ、強力なモンスターや精霊の魂を受肉させたもの。エクステンドの真名を封じ、仮名を与えることで、再定義(オーバーライド)と呼ばれる絶対忠誠の契約を結ぶ。一方、真名を思い出すことでエクステンドは召喚の呪縛から逃れることが可能
・《確率操作》スキルは行動の成功率を百分率(パーセント)で知ることができ、事前に10面ダイスを2個振ることで成功する確率を上乗せするもの。数パーセントの見込みしかない試みでも出目次第では勝ち筋が見え、100パーセントを上回ればどのような奇蹟も実現する。ただしダイス目が二つともゼロの場合、致命的失敗(ファンブル)となり想定外の事態を招く

 

●全体あらすじ
「間宮陸」は異世界転生し「ラブカ」から前世の超悪運体質の見返りに《確率操作》スキルを得る。多くの者は親の職業を継ぐギフトの裁定で、召喚士の運命が示された陸は村で修行を積み資格を得るため十六歳で首都へ向かう。

 

召喚士資格を得た陸は、初めての実召喚でスキルを用いるが、振ったダイスでファンブルを出した結果エクステンドとして記憶喪失の人間の少女を召喚する。召喚失敗として退去させるのもしのびなく「ステラ」の名でオーバーライドし、絶対忠誠の契約を結ぶ。

 

駆け出しの召喚士がキャリアを積むためには、強力なエクステンドを複数従えている必要がある。陸は剣士の適性があったステラと共に、召喚士ギルドから「触媒」探しのクエストを引き受けたが、町を出た途端にモンスターの群れに取り囲まれる。破れかぶれで召喚した巨人の子供「カリン」♀の伸縮自在な体の能力に助けられる。

 

旅を続ける中で、商業都市では猫又の「クローネ」♀、地下迷宮では吸血鬼の「ドラウグ」♂、旧文明の廃墟では機巧端末(アンドロイド)のメイド「アリソン」♀、雪山では雷竜(サンダードラゴン)の「ライコウ」♂、大森林ではハイエルフの「ドロテオ」♂などの仲間を召喚し陸は力をつけていく(ドロテオはドロレスが召喚に介入しハイエルフを装った偽の存在)。

 

召喚時の刷り込みで陸にべったりと懐くカリン、他の仲間より役に立っていないのではとのコンプレックスを受け入れてくれた陸に恋心を抱くクローネ、自分の出自もわからないまま陸に命を捧げてもいいという衝動を抱きつつ真摯に生きるステラ。彼女たちの多角関係とそれを取り巻く仲間のドラマが旅の中で展開する。

 

突然現れた反乱勢力に皇国の傭兵として立ち向かう陸たち。相手は強大なエクステンドを多数従えた召喚士との噂が流れるなか、ただ命令に従っているだけで、同じ立場のエクステンド相手に自分たちが敵対していいのか悩むステラ。一方ドロテオは自分たち仮初めの肉体を持つだけのエクステンドに自由意志などないと主張しパーティに不和が広がるが、最終的にドロテオの意見は退けられ立場を無くしたドロテオは失踪する。

 

敵の本拠地に辿り着いた陸たちは、ドロテオの正体が反乱勢力の首領ドロレスだったと知る。ドロレスは情報収集をしつつ陸たちの内部分裂をはかったが、その結束の固さにすぐさま叩くしかないと判断し速攻をしかけると決めた。

 

敵味方のエクステンドが倒れていく中、偽装していたとはいえ一度はドロテオを召喚したことでドロテアの真名の手がかりをつかんでいた陸は、真名を用いた拘束魔術で戦況の決着をドロレスとの一対一の対決に持ち込む。しかし実戦経験と実力の差は埋めがたく、陸はドロレスに倒される。

 

しかし、それで陸との絶対忠誠の契約が解けた仲間たちは、満身創痍のなか自身の判断でドロレスに決死の戦いを挑む。予想外の展開に隙を見せたドロレスはステラの剣を受けて倒れる。実のところ陸はドロレスの最後の一太刀を受ける際に、一度死んでも甦るという0パーセントの賭けにスキルを行使していた。蘇生後、絶対成功の100の目を出していた事を知る陸。

 

通常、絶対忠誠の契約が破れエクステンドの退去に失敗した召喚術士は、相手の真名を知るがゆえにほぼ必ず裏切られ殺される。しかし、陸は契約無しでエクステンドを仲間とした、初めての召喚術士の一歩を踏み出すことになる。

 

一方、前世を思いだしたステラは自分が地球人の川瀬翠であること、命の恩人の陸は幼いころにもイジメから体を張って守ろうとしてくれた幼馴染みだったことを思いだした。前世の翠は陸の死後その通夜に赴き、小学生以来連絡の取れなかった陸が命の恩人だと知った。ステラは川瀬翠として間宮陸をずっと慕っていたと告白する。

 

以上